滝川一益 | 鉄砲の腕で信長に仕えた東国方面軍の司令官。上野一国を預かるも神流川に敗れ、蟹江城合戦で失脚した宿将

たきがわ かずます

地域東海・関東
所属勢力・属性織田氏
大名家滝川氏
家紋木瓜
主武器鉄砲・太刀
衣装・甲冑黒漆具足・緋の陣羽織
武将タイプ鉄砲・知謀・実務

大永五年(1525)生まれ。「幼年より鉄炮に長す」と伝わり、鉄砲の技量を買われて織田信長に仕えたとされる。北伊勢の攻略と統治を任され、みずから蟹江城を築いた。甲州征伐ののちには上野一国と信濃の二郡を与えられ、関東御取次役として東国の経営を担う。だが本能寺の変後、神流川の戦いで北条軍に敗れて上野を失い、清須会議にも間に合わずに織田家中での立場を落とした。小牧・長久手の戦いでは秀吉方として蟹江城を占拠するも、大野城の攻略に失敗して開城。天正十四年、越前大野で没した。享年六十二。

3行でわかる滝川一益
  • 大永5年(1525年)ごろの生まれ。出自は近江甲賀とも河内・尾張ともいわれ、鉄砲の名手として信長に仕えたと伝わる
  • 伊勢攻略や長島一向一揆の平定で活躍し、武田攻めののち上野一国などを与えられて関東方面の司令官となった
  • 本能寺の変後、神流川の戦いで北条氏に敗れて伊勢へ退き、蟹江城の戦いでも敗れて勢いを失った。天正14年(1586年)没
目次

織田信長を支えた宿老

滝川一益は、織田信長に仕えて数々の武功を挙げた宿老で、織田家中でも屈指の実力者であった。大永五年(1525)ごろの生まれと伝えられる。鉄砲の扱いに長け、水軍の指揮にも通じたその才は、信長に高く評価された。柴田勝家や丹羽長秀らと並ぶ織田家の重臣として、一益は信長の天下統一事業を支えた。

鉄砲と水軍の名手

一益は、幼いころから鉄砲の扱いに秀でていたと伝えられ、新兵器を駆使する武将であった。また、伊勢の平定においては水軍を率いて活躍するなど、多彩な軍事的才能を発揮した。陸戦のみならず、鉄砲や水軍といった専門的な分野にも通じた一益の力量は、織田軍の強さを支える重要な要素であった。

関東方面の司令官

武田氏を滅ぼした後、信長は滝川一益に上野一国と信濃の一部を与え、関東方面の統治を任せた。一益は、関東の諸勢力を束ねる司令官格の立場を与えられ、この地の経営にあたった。織田政権の東国支配を託されたことは、一益が信長からいかに厚い信頼を寄せられていたかを物語っている。

本能寺の変と神流川の戦い

天正十年(1582)、本能寺の変で信長が横死すると、関東にあった一益の立場は一変した。後ろ盾を失った一益は、関東で勢力を回復しようとする後北条氏と神流川(かんながわ)で激突するが、大敗を喫してしまう。関東の地を追われた一益は、畿内へと退却を余儀なくされた。この敗北が、その後の彼の運命に暗い影を落とした。

清須会議後の没落

本能寺の変後、織田家の後継や領地を決める清須会議に、関東からの退却で遅れた一益は加わることができなかったと伝えられる。これにより、宿老としての発言力を大きく損なった。その後、羽柴秀吉と柴田勝家が争うと勝家方に付いて敗れ、一益は次第に没落していった。織田四天王の一人に数えられた実力者の晩年は、時代の激流に翻弄されたものであった。

滝川一益をめぐる人物

ゆかりの地

  • 長島城跡(三重県桑名市):長島一向一揆の平定後に一益が城主となった。現在は小中学校の敷地
  • 前橋城(厩橋城)跡(群馬県前橋市・県庁一帯):上野を与えられた一益が入った城
  • 神流川古戦場跡碑(群馬県高崎市新町):北条氏との決戦の地。埼玉県上里町側にも戦場が広がる
  • 蟹江城址(愛知県蟹江町):一益が奪い、織田信雄・徳川家康に奪い返された城。石碑と井戸が残る
  • 墓所:越前市の霊泉寺など複数の伝承があり、はっきりしない

このイラストについて

このイラストは、旗の立ち並ぶ陣を背に、鉄砲を手にした一益を描いています。

鉄砲を持つ姿で、鉄砲の扱いに通じていたと伝わる武将の一面を表しました。

赤い陣羽織と多くの旗は、織田家の重臣として大軍を率いた姿をイメージしています。

※当サイトの武将イラストは、画像生成AIを活用し、当サイトが構図や装束を指定して制作した想像図です。肖像画や現存する甲冑をそのまま写したものではありません。

この人物をもっと知る本

  • 【人物事典】柴裕之編『戦国武将列伝 別巻1 織田編』(戎光祥出版):「滝川一益」の章を収録。最新研究で信長の家臣団を知る
  • 【新書】谷口克広『信長軍の司令官』(中公新書):柴田・丹羽・羽柴らと並ぶ方面軍司令官としての一益がわかる
  • 【歴史小説】佐々木功『乱世をゆけ 織田の徒花、滝川一益』(角川春樹事務所):一益を主人公にした数少ない小説
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