くるしま みちふさ
| 地域 | 四国 |
|---|---|
| 所属勢力・属性 | 来島村上氏・豊臣系 |
| 大名家 | 来島村上氏 |
| 家紋 | 丸に三ツ石 |
| 主武器 | 太刀・水軍旗 |
| 衣装・甲冑 | 華美水軍具足 |
| 武将タイプ | 唯一の大名・討死 |
村上三家(来島)の当主。秀吉に早くから接近し村上水軍で唯一の大名となるが、慶長の役・鳴梁海戦で討死。
- 永禄4年(1561年)、伊予来島城主・村上通康の四男に生まれ、幼くして家督を継いだ来島村上氏の当主
- 主家の河野氏を離れて秀吉につき、天正13年(1585年)の四国攻めの功で伊予風早郡1万4千石の大名となった
- 文禄・慶長の役に水軍の将として出陣し、慶長2年(1597年)の鳴梁海戦で朝鮮水軍に討たれて戦死した
村上水軍と来島村上家
伊予の村上水軍は、能島・因島・来島の三家に分かれて瀬戸内海の制海権を握った日本有数の水軍(海賊衆)である。来島村上家はそのうち伊予今治沖の来島を本拠とし、伊予の名門河野氏と結びついて活動した。来島通総はこの来島村上家の当主として生まれ、瀬戸内の海上交通や水軍の統率を担う立場にあった。三島村上のなかでも来島家は伊予本土に近く、河野氏との主従関係が深かった点に特色がある。
河野氏からの離反と秀吉への臣従
戦国末期、中国地方では毛利氏が勢力を拡大し、村上水軍の多くは毛利方として織田水軍と戦った。しかし来島通総は早い段階から織田信長、次いで羽柴秀吉に接近する道を選び、主家である河野氏や毛利氏から離反した。この離反により通総は一時本拠を追われる苦境に立たされたが、天下人となった秀吉のもとでその決断は報われることになる。海の武将としての実力と早期の帰順が高く評価されたのである。
唯一の大名となった水軍武将
豊臣政権下で通総は伊予に所領を与えられ、村上水軍の諸将のなかでただ一人、大名の列に加えられた。能島・因島の村上家が大名として自立できなかったのに対し、来島家のみが大名身分を保ったことは、通総の政治的判断の巧みさを物語る。彼は朝鮮出兵にも水軍を率いて従軍し、豊臣水軍の一翼を担った。
鳴梁海戦での最期
慶長の役(1597)において、通総は朝鮮水軍との戦いに臨んだ。李舜臣が率いる朝鮮水軍と激突した鳴梁(めいりょう)の海戦で、日本水軍は狭い海峡と激しい潮流に苦しみ、通総はこの戦いで討死したと伝えられる。水軍大名として生き、海の戦いに散った通総の生涯は、瀬戸内の海賊衆が中央政権に組み込まれていく時代の縮図でもあった。
江戸時代の久留島氏として
来島通総の死後、その家は子の代に豊後国の森藩(現在の大分県玖珠郡)へと移され、久留島(くるしま)氏を名乗る大名として江戸時代を通じて存続した。瀬戸内の海を駆けた水軍の名門は、内陸の小藩の領主へと姿を変えながらも、その家名を幕末まで伝えた。海賊衆から近世大名へと転じた来島(久留島)家の歩みは、戦国から泰平の世への時代の移り変わりを映し出している。
来島村上氏の当主
瀬戸内海の村上海賊は、能島・来島・因島の三家に分かれていた。通総はそのうち来島村上氏の当主・村上通康の四男で、永禄10年(1567年)に父が亡くなると幼くして家督を継いだ。兄の得居通幸がこれを支えた。
来島村上氏は伊予の大名・河野氏に仕える水軍だった。一方、同じ村上海賊でも能島の村上武吉は毛利氏と結んでいた(「瀬戸内を制した村上水軍」参照)。
河野氏を離れ、秀吉の水軍へ
天正9年(1581年)から10年ごろ、通総は主家の河野氏を離れて羽柴秀吉についた。これに怒った河野氏・毛利氏に攻められ、一時は来島を追われている。
天正13年(1585年)の四国攻めで水軍として功を立てると、伊予風早郡に1万4千石を与えられ、海賊衆から大名となった。秀吉は通総を「来島、来島」と呼んで重く用いたと伝わる。
鳴梁海戦での戦死
文禄・慶長の役(朝鮮出兵)では、水軍の将として朝鮮に渡った。慶長2年(1597年)9月、鳴梁海峡で李舜臣が率いる朝鮮水軍と戦った鳴梁海戦で先鋒を務め、討ち死にした。37歳だった。
跡を継いだ次男の長親は関ヶ原で西軍についたが、家は許されて豊後森(大分県玖珠町)1万4千石へ移された。のちに姓を「久留島」と改め、森藩として江戸時代の終わりまで続いた。
来島通総をめぐる人物
ゆかりの地
- 来島城跡(愛媛県今治市):来島村上氏の本拠の島城。日本遺産「村上海賊」の構成文化財
- 今治市村上海賊ミュージアム(今治市):村上海賊の歴史を紹介する博物館
- 鹿島(愛媛県松山市):風早郡の拠点となった島
- 旧久留島氏庭園(大分県玖珠町):子孫の森藩の庭園。国の名勝
この人物をもっと知る本
- 【新書・選書】山内譲『瀬戸内の海賊 ― 村上武吉の戦い【増補改訂版】』(新潮選書):村上海賊三家の動きを知るための定番の一冊






















