ほうじょう うじなお
| 地域 | 関東 |
|---|---|
| 所属勢力・属性 | 後北条氏第5代 |
| 大名家 | 北条 |
| 家紋 | 三つ鱗 |
| 主武器 | 太刀 |
| 衣装・甲冑 | 当世具足 |
| 武将タイプ | 最後の当主・開城 |
北条氏直は後北条氏第5代にして最後の当主で、北条氏政の子として生まれた。徳川家康の娘・督姫を正室に迎え、家康との結びつきを強めながら、父の後見のもとで後北条氏の当主としての地位を担った。
- 永禄5年(1562年)、北条氏政の子として小田原城に生まれる。天正8年(1580年)に家督を継いだ北条家5代目の当主
- 本能寺の変後の天正壬午の乱(1582年)で徳川家康と争い、和睦して家康の娘・督姫を正室に迎えた
- 天正18年(1590年)の小田原征伐で降伏。家康の婿だったため助命されて高野山で謹慎し、翌年に赦免されたが30歳で没した
後北条氏の五代目当主
北条氏直は、関東に覇を唱えた後北条氏の五代目にして最後の当主である。父は四代当主・北条氏政で、氏直は徳川家康の娘を妻に迎え、徳川氏とも縁戚関係を結んでいた。早雲以来五代にわたって築かれてきた関東最大級の版図を受け継いだ氏直は、後北条氏の栄華の頂点と、その終焉の双方を背負う立場にあった。
関東の覇者として
氏直の代、後北条氏は関東のほぼ全域に影響を及ぼす一大勢力であった。父・氏政とともに政務を執り、周辺勢力との抗争や領国の統治にあたった。相模・武蔵・伊豆・上野などにまたがる広大な領国は、緻密な支配体制によって治められ、後北条氏は東国に揺るぎない基盤を築いていた。
豊臣秀吉との対立
しかし、天下統一を進める豊臣秀吉との関係は、次第に緊張を増していった。関東に独自の勢力圏を築いてきた後北条氏にとって、天下人への全面的な臣従は容易に受け入れがたいものであった。真田氏との領地争い(名胡桃城事件)をきっかけに、両者の対立はついに決定的なものとなり、秀吉の大軍を招くことになる。
小田原征伐と開城
天正十八年(1590)、秀吉は全国の大名を動員して小田原征伐を行った。難攻不落を誇った小田原城も、天下の大軍による長期の包囲の前になすすべなく、ついに開城に至った。徹底抗戦か降伏かをめぐって城内の評議が長引いた「小田原評定」の故事も、この籠城戦から生まれたものである。関東の覇者は、天下統一の総力の前に屈した。
後北条氏の終焉
開城後、父・氏政は切腹を命じられたが、家康の娘婿であった氏直は死を免れ、高野山へと追放された。翌年に赦免されたものの、まもなく病を得て若くしてこの世を去った。ここに、早雲から五代にわたって関東に君臨した後北条氏は、大名としての歴史を完全に閉じた。氏直の生涯は、戦国最大級の大名家の栄光と滅亡を一身に体現するものであった。
北条家5代目の当主
氏直は北条氏政の子で、母は武田信玄の娘・黄梅院とされる(異説もある)。天正8年(1580年)に家督を継ぎ、北条家の5代目当主となった。ただし実権は、その後も父の氏政が握っていたとみられる。
天正壬午の乱と督姫
天正10年(1582年)、本能寺の変で織田信長が倒れると、旧武田領の甲斐・信濃・上野は主のいない土地となった。氏直は大軍を率いて進出し、同じくこの地を狙う徳川家康と争う(天正壬午の乱)。
同じ年の10月に両者は和睦し、翌天正11年(1583年)、家康の娘・督姫が氏直の正室となった。この縁組みが、のちに氏直の命を救うことになる。
名胡桃城事件と小田原征伐
天正17年(1589年)、北条方の家臣が真田昌幸の名胡桃城を奪った。これが、秀吉が定めた大名同士の私戦を禁じる命令に背いたとされ、豊臣秀吉の小田原征伐を招く。
天正18年(1590年)、20万ともいわれる大軍に囲まれた小田原城は開城した。父の氏政と叔父の氏照は切腹を命じられたが、氏直は家康の婿だったことから助命され、高野山で謹慎した。
赦免と早すぎる死
天正19年(1591年)、氏直は秀吉に赦されて1万石を与えられたが、同じ年の11月に30歳で亡くなった。氏直の名跡は叔父・北条氏規の子の氏盛が継ぎ、その家は河内狭山藩として江戸時代の終わりまで続いた。督姫はのちに池田輝政に再嫁している。
北条氏直をめぐる人物
ゆかりの地
- 小田原城(神奈川県小田原市):北条氏の本拠。天守が復元されている
- 早雲寺(神奈川県箱根町湯本):北条家の菩提寺。北条五代の墓(供養塔)がある
- 北条氏政・氏照の墓所(小田原市):小田原開城後に切腹した父と叔父の墓
- 高野山 高室院(和歌山県高野町):氏直が謹慎した寺
- 狭山池・狭山陣屋跡(大阪府大阪狭山市):北条氏の名跡を継いだ狭山藩の拠点
この人物をもっと知る本
- 【一般書】平山優『天正壬午の乱【増補改訂版】― 本能寺の変と東国戦国史』(戎光祥出版):氏直と家康が旧武田領を争った戦いを詳しく描く定番
- 【人物論集】黒田基樹編著『北条氏直』(戎光祥出版・シリーズ中世関東武士の研究):氏直に関する論文を集めた研究書

























