大河ドラマ『豊臣兄弟!』第33回「北庄(きたのしょう)城の別れ」は、2026年8月30日に放送されました。天正11年(1583年)4月。賤ヶ岳で敗れた柴田勝家と、その妻となった市の最期。そして小一郎が立ち直るまでが描かれます。
第33回のあらすじ
賤ヶ岳で敗れた勝家は、市の待つ北庄城に戻ってこもります。小一郎は降伏をすすめる使いを出すよう進言しますが、秀吉は聞き入れず、前田利家に先陣を命じて城を囲みました。
市は、浅井長政とのあいだの三人の娘、茶々・初・江を城から出して秀吉のもとへ送り、自分は勝家とともに死ぬと決めます。総攻撃のなか、二人は天守のいちばん上へのぼりました。市は「長政殿もあなたさまも、私にはもったいないお人でした」と言い、二人は手を取りあって越前の空へ身を投げます。
市を死なせたことを悔やんだ小一郎は、大徳寺にこもってしまいます。秀吉は、弟がもう戻らないかもしれないと覚悟しました。
寺で掃除をしていた小一郎は、茶人・千宗易の茶碗を割ってしまいます。宗易は怒らずに茶を点て、「お茶は好きやないねん」と意外なことを言います。苦い茶も、そのあとの甘い菓子がおいしくなると思えば楽しめる、と。鐘の音を聞いた小一郎は、直と交わした「平和な世をつくる」という約束を思い出し、晴れやかな顔で兄のもとへ戻りました。
「皆が笑って暮らせる世があれば、つらい仕事も楽しくなる」。小一郎は兄とともに月代を剃り、天下一統を目ざすと家臣たちに宣言します。
主な登場人物
史実と比べてみると
- 北庄城の落城:天正11年4月24日、越前の北庄城(福井市)が落ちました。利家は秀吉方として城攻めに加わったとされます。
- 勝家と市の最期:秀吉の側近・大村由己の『柴田退治記』によれば、勝家は天守で一族と最後の宴を開き、市らを刺したあと見事に腹を切り、天守に火を放ったとされます。天守から飛び降りたというのはドラマの創作です。
- 辞世:市と勝家には、どちらもほととぎすを詠んだ辞世の歌が伝わっています。
- 三姉妹:茶々・初・江は落城の前に城を出て、秀吉に保護されたとされます。
- 秀長と利休:秀長が大徳寺にこもって宗易と出会ったという話は創作です。ただ、のちに大友宗麟が「内々のことは宗易に、公のことは宰相(秀長)に」と書き残すほど、二人は豊臣政権を支える存在になりました。
振り返り
二人の夫を愛した市の最期と、苦い茶の向こうにある甘さ。失ったものの重さを抱えたまま、それでも前に進むと決めた小一郎の顔が印象に残る回でした。
放送中の回の記事や登場人物の解説は、大河ドラマ『豊臣兄弟!』特集にまとめています。
























