大河ドラマ『豊臣兄弟!』第16回「覚悟の比叡山」は、2026年4月26日に放送されました。元亀元年(1570年)から元亀2年(1571年)にかけて。信長の比叡山焼き討ちと、藤吉郎の甥・万丸の人質の話が、並行して描かれます。
第16回のあらすじ
姉川で勝ったものの、織田信長の表情は晴れません。信長は藤吉郎に、浅井家の重臣・宮部継潤(ドンペイ)を味方に引き入れるよう命じます。継潤が出した条件は「お前の子を人質に出せ」。子のいない藤吉郎は、姉・ともと夫・弥助の長男、万丸を差し出すしかないと考えます。弥助は受け入れますが、ともは「万丸につらい思いをさせてまで」と激しく反対しました。
そのころ浅井・朝倉勢は延暦寺の助けを得て織田方の城を攻め、比叡山にたてこもります。義昭の仲立ちで和睦はしたものの、信長は「延暦寺と和睦したわけではない」として、明智光秀に焼き討ちを命じます。女も子どもも残すな、と。
義昭とのつながりを疑われていた光秀は、命令に従うしかなく、自分の手を血に染めます。一方、藤吉郎は命令にそむき、隠れていた女や子どもを逃がしました。焼き討ちのあと、義昭は光秀を「外道」とののしり、信長は光秀をほめたたえます。二人のあいだで引き裂かれた光秀は、城持ちに出世しました。
小一郎の説得で、ともは「一人でも多くの民を救うため」と、泣きながら万丸を送り出すことを受け入れます。命令にそむいた藤吉郎に信長は切腹を言いわたしますが、小一郎が継潤を味方にした手柄を示して、兄の命を救いました。人質になった万丸は、3か月のあいだ一度も泣かなかったといいます。
主な登場人物
- 小一郎(豊臣秀長)/仲野太賀、藤吉郎(豊臣秀吉)/池松壮亮
- 織田信長/小栗旬、柴田勝家/山口馬木也
- とも(兄弟の姉)/宮澤エマ、弥助/上川周作
- 万丸(ともの長男、のちの豊臣秀次)
- 宮部継潤/ドンペイ
- 明智光秀/要潤、足利義昭/尾上右近
- 覚恕(延暦寺の座主)/黒田大輔
史実と比べてみると
- 志賀の陣:元亀元年9月、浅井・朝倉軍が近江の宇佐山城を攻め、守っていた森可成らが討死しました(城はもちこたえたとする見方が一般的です)。浅井・朝倉軍は比叡山にこもり、12月に朝廷と将軍の仲立ちで和睦しました。
- 比叡山焼き討ち:元亀2年9月12日。延暦寺が浅井・朝倉方を助けたことが理由とされます。犠牲者は数千と書く記録もありますが、発掘調査から被害はもっと小さかったとする説もあります。
- 光秀の役割:光秀は焼き討ちで大きな役目を果たし、そのあと近江の滋賀郡をもらって坂本城を築きました。光秀が焼き討ちに積極的だったことを示す手紙もあるとされます。
- 宮部継潤と秀次:継潤は浅井家の有力な家臣で、秀吉の調略で織田方につきました。その際、秀吉の甥(のちの秀次)を養子として宮部家に送ったとされますが、裏づける史料は多くありません。
- 藤吉郎が女や子どもを逃がした話、切腹を命じられた話は創作です。
振り返り
多くの人を救うために、ひとりの子を差し出す。武士の理屈を、母親のともに突きつける小一郎もまた苦しんでいました。のちの関白・秀次の少年時代を、こういう形で描いたのも印象的です。
放送中の回の記事や登場人物の解説は、大河ドラマ『豊臣兄弟!』特集にまとめています。
























